抄録
昨年12月に開催された日本ベンチャー学会全国大会の統一論題を整理することが本稿の目的である。先行研究によれば、地域の経済や産業を維持・発展させるためには、不断のイノベーションの創出が不可欠であり、その担い手は「イノベーターズ・ジレンマ」を抱える既存企業には務まらず「破壊的イノベーション」を追及するNTBFs となる。これらNTBFs は大きなリスクと直面するため成功確率は極めて低く、簇業1)を促すエコシステムの形成が不可欠となる。エコシステム形成の前提条件は「技術とヒトの一定の集積」であり、そこからエコシステムの形成プロセスが始まる。福岡では技術的な集積は実現できているもののヒトの集積には課題が残る。その問題を解決した上で、地域内外の各セクターが相互補完しながらエコシステム形成のプロセスを進める必要があり、そのためには九州大学が「企業家大学」へ移行することが必要となる。