2020 年 76 巻 2 号 p. I_265-I_270
境界層の発達の度合いが異なる流入風を用いて,新宿の高層ビル群を含む実都市建物幾何を対象とした格子ボルツマン法に基づくラージエディシミュレーションによる大規模都市乱流数値計算を行った.吹送距離,ラフネスブロックの設定により,境界層高度が異なる流入風を3種類作成し,同じ検査領域において,中立大気安定度下での平均風速場への影響を調べた.都市キャノピー層を含む地表面近傍から平均建物高さ付近までの高度で,異なる事例間での各高度の平均風速比が摩擦速度比と一致した.摩擦速度で規格化した街区内平均風速は建物幾何形状によって決定されており,ある1風向の平均風速場を摩擦速度でスケーリングすることにより,風環境の快適性,安全性を考える上で重要な,任意の時間の街区内平均風速分布を得る簡便な診断手法を示した.