支援工学理学療法学会誌
Online ISSN : 2436-6951
原著
市販の計測機器を用いた脊髄損傷者の移動距離と身体活動量の検討
太田 啓介森田 智之渡辺 偉二横山 修松田 健太
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 2 巻 1 号 p. 14-21

詳細
抄録

【目的】本研究の目的は、車椅子利用者における身体活動量の計測方法の検証および活動量と移動距離との関係性を検討することとした。【方法】対象は日常の移動手段として車椅子を利用している障害者支援施設入所中の脊髄損傷者5名と在宅生活中の脊髄損傷者5名とした。計測にはサイクルメーター、スマートウォッチ、活動量計を用いた。まず施設入所者の車椅子移動距離、車椅子駆動時間について計測方法の検証を行った。その後、施設入所者と在宅生活者の活動量と移動距離の関係性を各々検証した。【結果】車椅子の左右それぞれの駆動輪の移動距離、駆動時間に有意な差は認められなかった。施設入所者、在宅生活者ともに移動距離と活動量に有意な相関が認められた。【結論】車椅子駆動時の左右駆動輪の移動距離の計測値に有意差はなく片側駆動輪のみにおいても計測が有効であると考えられた。車椅子駆動が車椅子利用者において活動性の向上をもたらす可能性があることが示唆された。

著者関連情報
© 2022 日本支援工学理学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top