支援工学理学療法学会誌
Online ISSN : 2436-6951
原著
膝部動揺の制限方法の違いが片脚立位時における足圧中心動揺と下肢関節作用に及ぼす影響
小原 謙一石川 琴美塩谷 文香大坂 裕黒住 千春
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2022 年 3 巻 1 号 p. 22-30

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抄録

目的:膝部動揺の制限方法の違いが片脚立位時の足圧中心動揺および下肢関節作用に及ぼす影響を検討すること。

方法:対象は、若年健常成人女性15名(20.2±0.7歳)であった。測定課題はバランスパッド上での30秒間の片脚立位とし、その際の足関節作用の指標として重心動揺計を用いて足圧中心動揺(総軌跡長、矩形面積)と、股関節および膝関節作用の指標として三軸加速度計を用いてそれぞれ骨盤部動揺および膝部動揺を測定した。実験条件は、壁面に貼付した円内に膝部から照射したレーザーを留めるように指示して膝部動揺を制限した能動的制限条件と、膝装具にて外的に膝部動揺を制限した外的制限条件の2条件とした。

結果:総軌跡長、骨盤部および膝部動揺には有意差は認められなかった。矩形面積のみ能動的制御条件が有意に高値を示した(p<0.05)。

結論:膝部の能動的制限下での片脚立位保持運動は、足関節戦略を賦活する可能性が示唆された。

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© 2022 日本支援工学理学療法学会
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