支援工学理学療法学会誌
Online ISSN : 2436-6951
症例報告
生活期脳卒中片麻痺一例に対するカーボン製湾曲杖の長期使用が歩行速度と生活範囲に及ぼす影響:シングルケース実験研究
永井 公規山﨑 寛史五十嵐 星也掬川 晃一和氣 彩花小桑 隆堺 裕太手島 雅人
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2026 年 5 巻 2 号 p. 96-104

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抄録

非麻痺側上下肢に依存した歩行となり生活範囲が狭小していた生活期脳卒中片麻痺患者に対し、カーボン製湾曲杖を導入し、歩行能力及び生活範囲への影響を短期及び長期的に検討した。A期は3年、B1期は90日、B2期が1年のABBシングルケースデザインで、10 m歩行速度や歩数、歩行の安定性を変動係数にて評価した。カーボン製湾曲杖使用後に有意な快適・最大歩行速度の向上と歩数の減少が認められた。変動係数は低下し、歩行の安定性が高まった。Timed Up and Goは転倒リスクのカットオフ値を下回り、屋外歩行が自立に至った。さらに、平均接地時間の評価では麻痺側下肢の荷重時間が延長していた。カーボン製湾曲杖が推進力や下肢荷重を補助し、歩行の対称性と安定性を高め、非麻痺側上下肢への依存を軽減させる可能性が示唆された。

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