日本移植・再生医療看護学会誌
Online ISSN : 2435-4317
Print ISSN : 1881-5979
原著
移植看護教育の実態とニーズに関する研究
―移植看護教育のコア・カテゴリー抽出の試み―
習田 明裕森田 孝子萩原 邦子添田 英津子眞野 惠子前田 靖子古米 照惠野尻 佳代
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2020 年 15 巻 p. 27-41

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抄録

移植医療が一般的な治療として現場で定着してきた昨今、その基盤となる移植看護教育に関する現場の声を可視化することは急務なことである。よって本研究は、移植看護教育の実態とニーズを明らかにし、その必要度からコア・カテゴリーを抽出し、今後の移植看護教育の示唆を得ることを目的に、自己記入式質問紙調査を実施した。

その結果、146名(回収率47.2%)から回答が得られ、移植看護経験年数6.0±5.6年間、経験した移植は生体移植が最も多く74.5%であり、脳死移植も57.2%が経験していた。学んだ程度及び必要度が高い単元は、基礎教育では「看護倫理」「対人関係」であり、継続教育では「感染症」「インフォームド・コンセント」であった。なお乖離の大きい単元は「遠隔期ケア」「外来でのスクリーニング技術」「移植における社会保障制度」であった。さらにコア・カテゴリー抽出を目的に、教育の必要度の単元について探索的因子分析を行った結果、必要度の高い順に【意思決定支援と家族ケア】【移植医療の専門的知識】【移植のプロセスとケア】【移植チーム医療と社会制度】【組織・再生移植と移植医療の背景】の5因子構造が導かれ、コア・カテゴリーの多くに関連がみられた属性は移植経験年数、研修の有無であった。

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© 2020 日本移植・再生医療看護学会
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