2011 年 2011 巻 21 号 p. 112-121
日本の多くの企業が,CSR報告書を作成し公表している。しかし,それに第三者による信頼性の保証を付して公表することは,まだ一般的ではない。また,報告書の記載内容は,環境情報が中心となる傾向がある。
現在のところ,まだ日本ではCSR情報の作成とその信頼性の保証の双方に広く一般に適用される規準は存在しない。AA1000シリーズは,CSR情報の作成と保証に特化した基準であり,CSR報告書の信頼性向上のために日本企業による積極的な活用が期待される。また,CSR情報の作成と保証の義務化の必要性に関する議論も今後必要であろう。