2011 年 2011 巻 21 号 p. 65-74
国際財務報告基準(IFRS)は今後,わが国会計教育の場において,ますます重要な位置を占めるようになるものと予想される。会計教育のグローバル・スタンダードである国際教育基準(IES)は,公共の利益に資するという観点を重視するとともに,コア・コンピタンスとアウトプットを重視することで,高等教育機関と密接にリンクした一定水準の会計教育の質をグローバル・レベルで確保することを目指している。わが国も世界の潮流を正しく見極めて
IFRS対応の会計教育をこうした方向で展開していく必要がある。とりわけ,原則主義のIFRS
の導入により,会計プロフェッショナルには,さまざまな場面で適時・的確な判断が求められるケースが増大することが予想されるところであり,こうしたIFRS適用能力を効率的かつ効果的に身につけさせるためにも,わが国会計教育には,大胆な発想の転換と各関係機関との連携強化が強く求められている。