現代監査
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国際監査基準の動向と日本への影響
─基準の正統性の検証を手がかりとして─
異島 須賀子
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2012 年 2012 巻 22 号 p. 66-74

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抄録

2009年3月にIAASBによるISAのクラリティ・プロジェクトが終了し,同年の6月にはIOSCOがISAを支持する声明を公表した。これらを受けて,世界各国でISA導入の動きが加速しており,日本においてもISAへの対応(ISAの導入)が喫緊の課題となっている。このような状況を踏まえて,本稿では,日本の監査制度にISAが与える影響について考証することを目的とする。まず,パブリック・セクター(企業会計審議会)とプライベート・セクター(JICPA)の2つの基準設定主体が併存する日本の監査基準の現状と,ISAへの現在の対応を確認する。

次に,ISA導入にあたっての問題点を析出する。そのさい,ISAに対する「二重の正統性」を明らかにし,日本において,パブリック・セクターの策定する「監査基準」を現在よりもヨリ純化・コア基準化することの必要性と,プライベート・セクターの策定する実務指針(とくに監査基準委員会報告書)にゆるぎない正統性(法的裏付け)を付与することの必要性について論究する。

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© 2012 日本監査研究学会
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