2014 年 2014 巻 24 号 p. 50-59
「監査における不正リスク対応基準」が公表され,不正についての監査チーム内の討議や情報共有を行うことが求められている。不正リスクに対応するための手法の一つとして,監査チームの構成員間のディスカッションによるコミュニケーションが有効である。また,専門家との連携やグループ監査における構成単位の監査人との連携においても,不正リスクに対応するためにはディスカッションを実施することが望ましい。ただし,専門家との連携や構成単位の監査人とコミュニケーションを図る際には,バックグラウンドの違い,海外の場合には言語の問題や商習慣の違い等の様々な課題がある。
また,循環取引を発見する手段の一つとして,取引先企業の監査人との連携が議論されている。
しかし,現実に実施するためのハードルは高いと考えられる。