現代監査
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日立グループの三様監査連携推進による監査・監督機能の改革
─相互評価による緊張感ある連携の事例─
蓮沼 利建
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2017 年 2017 巻 27 号 p. 68-79

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抄録

不正防止のための監査全般の品質向上と効率化がますます重要なものになってきており,そのために三様監査の連携強化が必要である。本稿は株式会社日立製作所における「三様監査の連携の実例」に基づく概要を説明するもので,「緊張感ある連携」が重要であり,「連携」から「相互牽制と相互評価」に一歩踏込み,責任をもって同等の立場で相互に評価している。具体的には,内部統制システムに関する基本方針に基づく監査委員会監査と内部監査でのガバナンス・プロセスの評価,厳格な経理業務内部監査による会計監査人への牽制,会計監査人の識別された受査側のリスクと三様監査相互の監査結果評価等に関して,株式会社日立製作所における推進中の実例,および検討している改善方針やそのための具体的施策案について簡潔に解説するものである。今後,日本企業としても,三様監査連携が内部統制面,リスクマネジメント面等における重要な施策として,監査・監督機能の改革に貢献することを期待したい。

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© 2017 日本監査研究学会
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