現代監査
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各国におけるKAMの開示実態と学術的研究の動向
─KAM研究における新たな研究機会の提示─
佐久間 義浩
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2019 年 2019 巻 29 号 p. 42-54

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抄録

本稿は,各国ごとに行われたKAMの開示状況に関する報告書の調査をもとに,KAMの開示実態を示すとともに,KAMを主題とした先行研究のサーベイによって得られた知見を明らかにすることを目的とする。あわせてKAMに関する新たな研究機会を提示する。

その結果,他国では,KAM導入に関する一定の取り組みが行われているものの,開示内容は国ごとの特色が表れていることが明らかになった。さらに,先行研究のサーベイの結果,実験研究では,KAM開示による効果を確認できた。しかし,アーカイバルデータに基づく研究では,一部,KAMの開示による影響が示されたものの,両者の関係を支持しない研究もあった。あわせて本稿では,KAMに関するデータの今後の継続的なフォロー,各国間の特色の要因分析,日本における独自の検証の必要性を提示した。

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© 2019 日本監査研究学会
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