抄録
我が国において、ヒトの診療ガイドラインは「Minds 診療ガイドライン作成の手引き」を基に作成する ことが推奨されている。本稿では、著者が猫の特発性膀胱炎(FIC)の診療ガイドラインを同手引きに沿っ た形で試験的に作成した。既報の文献を基に、FIC のクリニカルクエスチョン(原因、症状、治療)およ び推奨(主に治療法)等、ガイドラインの一部を作成することは可能だった。一方で、今回は試験的に行っ たため、さらに客観性のある診療ガイドラインを作成するためには、関連学会の会員や他団体からの協力 が必要である。結論として、今回実施したような手順で信頼できる診療ガイドラインの作成は可能だが、その実現には多くの時間と費用が必要であり、作成の可否については慎重な判断と更なる熟考が必要であ ると考えられた。