気象庁MSM-GPV予報値の地上風況および境界層内の風速の日変化特性について調べた。南関東地域を対象にGPV地上風の風速・風向の出現頻度を地上観測と比較した。GPVは観測にみられる風向頻度の特徴をかなりよく再現しており,それは地形や海陸分布の影響をよく反映したものであった。風速についてはやや過小の傾向が見られた。風環境評価における基準風と関連して,GPV風速の日変化の特徴についても調べた。境界層の安定度の日変化に対応した高度による風速日変化の違いが明瞭に見られた。風速日変化の高度依存性は,数値モデルの出力結果から参照風を求める際にかなり注意が必要であることを示唆している。