抄録
辺長比3の矩形断面柱に作用する風荷重が,橋梁の高欄を模擬した形状の異なる付加物によってどのように変化するか風洞実験で調べた.付加物のないときのストローハル数と抗力係数は既往の実験値とよく一致した.付加物を設置することで,風向方向投影面積の増加にほぼ比例して抗力係数は増加するものの,変動揚力係数は大きな減少が見られた.変動揚力係数のパワースペクトルにおいて周波数が約1/3のところに別のピークが生じており,流れ場が周期的再付着から完全剥離に移行する不安定な流れ場となったと考えられる.軸方向に断面変化する付加物では,2つのピーク値が,一様な断面よりも相対的に小さくなることが確認された.