近年、沖縄県のような暑い地域では、ネットハウスの利用面積が拡大しているが、台風来襲時は多くのビニールハウスと同様に、倒壊やハウス内の作物への被害が度々見られる。そこで、強風に対するネットハウスの設計法を確立することを目的に、野外に実物大のネットハウスを設置し、ネットに加わる風力とネットによる防風効果の観測を自然風中で実施した。風力の観測では、通気性のあるネットにおいても風速の増加に伴い、鋭いピーク風力の発生が確認できた。その時、屋根面には吹き上げ力が発生し、その単位面積当たりの力は風下壁面と同程度になることが示された。このような現象が発生する要因として降雨によるネットの目詰まりの影響が考えられた。一方、風速低減率は35%以下となることが確認できた。