p. 79-
本報告では,3Dプリンタを用いて模型と一体的に出力した導圧管を導圧系の一部として用いた場合の動的圧力伝達特性について検討した結果を報告する。検討に用いた模型は,複数の建築物を含む市街地の一部を模擬した幾何学的縮尺比1:500の模型である。建築物屋根面に設けた圧力測定孔と導圧チューブ接続コネクタとの間の導圧のために,模型内にパイプ状の空隙を設け導圧管として用いる。この導圧管は,管同士のクリアランスと3Dプリンタによる施工性を考慮しつつ,拡張した迷路探索アルゴリズムを用いて生成した。生成された導圧管の経路はジグザグ状で,また管路の折れ曲がり部では断面形状が必ずしも一定ではないが,導圧系全体の動的圧力伝達特性への影響は軽微であり,実用上問題ないことが確認された。