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本研究では,風向に沿って地形の再現範囲を狭めていき,近傍の再現地形の変化と風速比分布の変化の対応を見ることで,先に確認されている特徴的な風速比分布に支配的な地形を明らかにすることを目的として,特定の風向で数値流体解析を実施し,注目する鉛直面内における風速比分布に対する近傍地形の影響について検討することにした。 その結果,地表面付近の風速比はごく近傍の地形によって決定され,上空の風速比はより遠方の風上の地形の存在の影響を受けているということが確認された。 従って,地形の再現範囲を考える際には,注目する流れ場の高さに応じて再現範囲を決定することが必要と考えられるが,その判断基準については今後さらに検討していく必要がある。