日本鳥類標識協会誌
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一般論文
青森県下北半島の松林に一時的に同居した鳴き声の異なるイスカの形態比較
蛯名 純一三上 かつら
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2019 年 31 巻 1_2 号 p. 1-9

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抄録

青森県下北半島において,2017/2018年の冬から春にかけて,2タイプの声をもつイスカが一つの林に同居していた.片方は通年生息し,繁殖もしている下北個体群のイスカ,もう片方は越冬に訪れた繁殖地不明のイスカである.在来集団については2006年以降標識調査を行っており,計測値を蓄積してきた.今回越冬集団と在来集団について計測値を比較したところ,翼長,尾長,ふしょ長は両者で重複が大きかったが,嘴峰長と体重は偏りがみられた.判別分析でも嘴峰長と体重が寄与しており,在来集団は相対的に嘴が短く体重が軽い,越冬集団は嘴が長く体重が重いという特徴があった.嘴峰長の違いはおそらく繁殖地で多く利用している餌資源の違いを反映しているだろう.越冬集団の重い体重は渡り前に体重を増加させていたためかもしれない.

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© 2019 日本鳥類標識協会
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