日本鳥類標識協会誌
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放鳥・資料報告
ロシア極東で標識放鳥され島根県で回収されたカワウ個体の形態計測
福田 道雄
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2019 年 31 巻 1_2 号 p. 43-52

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抄録

ロシア連邦沿海地方のフルゲリマ島で標識放鳥されたカワウPhalacrocorax carbo 1羽が,2013年3月に島根県江津市で回収された.カワウはユーラシア大陸に分布する亜種P. c. sinensisに対して,国内に分布するカワウは別亜種P. c. hanedaeとされているので,成鳥メスの1個体に過ぎなかったが,体サイズと骨サイズの計測値を国内産個体と比較した.その結果, 骨盤長を除く全ての計測値がロシア産個体P. c. sinensisと国内産個体P. c. hanedaeで重複していて,外部形態にも差異がみられないことから,ロシアからの渡来個体を形態的に識別することは困難であると考えられる.

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© 2019 日本鳥類標識協会
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