2019 年 31 巻 1_2 号 p. 36-42
2015年9月2日に北海道網走市の濤沸湖において,ハリオシギGallinago stenura 1羽が標識放鳥された.この個体の尾羽は22枚あり,各尾羽の根元付近を確認したが伸長中の羽毛や脱落痕はなかった.本個体の外側尾羽の長さと形状はハリオシギの特徴と一致しており,計測値と併せて総合的に判断してハリオシギの幼鳥であると同定した.尾羽の枚数が22枚の個体は,過去に鹿児島県で1例が確認されていたが,学術報告されていなかった.本稿は尾羽22枚のハリオシギについての2例目の記録であり,初の学術報告であると考えられる.