日本鳥類標識協会誌
Online ISSN : 2187-2481
Print ISSN : 0914-4307
ISSN-L : 0914-4307
報告・資料
酒田市最上川河川敷における夏から秋にかけての標識調査
金子 隆
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 9 巻 2 号 p. 27-34

詳細
抄録
 1992年をのぞく1989年から1993年の7月~11月に,山形県酒田市の最上川の河川敷で,鳥類の標識調査を行った.合計7科24種,のべ384羽の小鳥類をかすみ網で捕獲し,環境庁リングを装着した後放鳥した.その内訳では,ホオジロ科の種数が最も多く,特にアオジとオオジュリンの個体数が多かった.アオジは,10月中旬から11月上旬まで渡りの個体が捕獲された.オオジュリンは,調査地での繁殖が確認されているが,9月上旬から10月上旬にかけては捕獲されず,さらに観察もされなかったことから,繁殖個体と渡り個体とのいれかわりがあると考えられる.また,本調査地,山口県宇部市および石川県河北潟での標識個体の再捕獲の記録から,酒田を経由するオオジュリンには,酒田‐河北潟‐宇部のコースを渡るものがいると推定できる.
著者関連情報
© 1994 日本鳥類標識協会
次の記事
feedback
Top