2007 年 16 巻 8 号 p. 653-658
症例は,在胎32週の胎児エコーで脳室拡大,MRIにてガレン大静脈瘤と診断され,当院紹介受診.出生時体重3,132g,水頭症,心不全も認めた.Lasjauniasらのneonatal evaluation scoreにて9点と,緊急手術の適応範囲内であった.脳血管撮影にて,すべての主幹動脈よりfeederが存在するchoroidal typeであった.生後2, 6, 20日目に経動脈的塞栓術を3回と,29日目に経動脈的塞栓術,経静脈的塞栓術を行った.また水頭症に対して生後22日目にV-Pシャント術を施行し,心不全に対して生後26日目にPDA結紫術を施行した.瘤は著明に縮小し,心不全も一時改善傾向であったが,進行する肝腎不全のため55日目に永眠した.心不全,水頭症を合併するchoroidal typeのガレン大静脈瘤の1例を報告し,治療,strategyについて文献的な考察を加えた.