行動経済学
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第1回大会プロシーディングス
行動経済学的な観点からみた年金資産運用のリスク管理
宮井 博
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2008 年 1 巻 p. 36-40

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抄録

企業年金の資産運用では,1997年に資産配分規制(5 : 3 : 3 : 2)が撤廃され,代わりに伝統的資産の政策アセットミックスの策定と,それを用いたリスク管理が行われることになった.これによって政策アセットミックスの導入初期の1998年∼1999年に見られたパフォーマンスの後追い傾向が,導入が定着した2000年∼2002年の市場下落時にはある程度排除されたと思われる.しかし,その後,伝統的資産内の運用スタイル·リスクが増加したことや,ヘッジファンドなどへの分散投資が進んだ結果,政策アセットミックスによるリスク管理そのものが機能しなくなっている.本稿では,行動経済学的なパフォーマンスの後追い傾向や,同じようなヘッジファンドを多数保有する傾向を排除する方法として,システマティック·リスク·ファクターによるリスク管理の方法について提案する.

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© 2008 行動経済学会
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