2022 年 15 巻 Special_issue 号 p. S26-S29
本研究では,NPOで活動するボランティアメンバーを対象にしたアンケート調査に基づいて,コミュニティ感覚に基づく組織内ソーシャル・キャピタル尺度の3因子の相対的重要性に男性と女性で違いがあるかを統計学的に検証する.分析の結果,男性にとって第一因子「理念共感と貢献意欲」が相対的に重要であり,愛着と幸福感に強いプラスの影響を持つのに対し,女性にとっては「居心地の良さ」の相対的重要性が高く,人間関係が良好で居心地がよいと感じている女性ほど団体への愛着とコミットメントが高くなる傾向が男性よりも強いことが明らかになった.第一因子ほど顕著ではないものの第二因子「自己有用感」の相対的重要性は男性の方が女性と比べて高いことも明らかになった.