行動経済学
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第7回大会プロシーディングス
競争と再分配行動の関係性:経済実験による分析
大竹 文雄木成 勇介水谷 徳子森 知晴
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2013 年 6 巻 p. 81-84

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抄録

本論文では,経済実験を用いて,競争と再分配行動の関係性について検証した.実験では,被験者は4人1グループとなり,それぞれ迷路を解く.報酬はその正解数に応じて順位報酬制または歩合制で支払われる.報酬額の決定後,被験者はそれぞれグループのメンバーに対して自分の報酬から報酬移転を行う.先行研究であるErkal et al. (2011) は順位が1位の人より2位の人ほうが移転が多くなるという結論を示したが,本実験ではそのような結果は見られず,単純に順位・報酬が高いほど移転が多いという結果が得られた.また,実験後のアンケートに基づいて作成した平等選好は移転に正の,競争選好は負の影響を与えていた.これらの変数は,報酬移転の存在による生産性の変化には影響を与えておらず,他者に対する選好によって生産性が変化し順位を変動させるというErkal et al. (2011) が主張するメカニズムを確認することはできなかった.

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© 2013 行動経済学会
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