日本気管食道科学会会報
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症例報告
生後第3週に発症した舌根部甲状舌管嚢胞の1例
生野 登荒川 圭三蒲 伸泰平林 秀樹馬場 廣太郎江口 光興坪井 龍生
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2002 年 53 巻 1 号 p. 40-44

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抄録
舌根部甲状舌管嚢胞は,新生児期における重篤な呼吸障害を引き起こすため早期診断・治療が必要である。今回われわれは,新生児期に発症した1例を報告した。症例は男児,在胎40週,正常分娩,生下時体重3,222 g。生後第3週より喘鳴・哺乳障害が出現。内視鏡下に舌根部正中の腫瘤を認め,CT・Tcシンチグラフィー・エコー所見は嚢胞性疾患を示唆した。喘鳴の増強とともに呼吸状態の悪化を認め,全身麻酔下に嚢胞摘出術を施行。経口・経鼻挿管不能のためマスク麻酔下に気管切開を行った。嚢胞壁が厚く経口的摘出困難にて外切開術を施行した。術後,経過良好。
甲状舌管嚢胞は舌内発生がまれとの報告があるが,剖検では時々みられることがある。症状の発現時期には成人例と小児例がある。特に,小児では生下時のみならず,本例のように生後数週経ての発現があり,この時期に喘鳴のある患児に対し積極的な内視鏡検査が必要と思われる。鑑別診断にCT・Tcシンチグラフィー・エコー検査が有用であった。
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