日本気管食道科学会会報
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特集2 シンポジウム2:反回神経麻痺の病因と対策
反回神経麻痺の遺伝子治療
塩谷 彰浩齋藤 康一郎渡部 和彦茂呂 和久Paul W. FlintBert W. O'Malley Jr.福田 宏之神崎 仁
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2002 年 53 巻 2 号 p. 124-128

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抄録
反回神経麻痺治療の背景にある問題として,脱神経に伴う神経線維再生不良,運動神経細胞死,運動終板の変性,筋の萎縮等があげられる。これらの問題に対し,運動神経筋機構に対する強力な再生促進効果や保護効果を持つ神経栄養因子の応用が期待される。しかし,神経栄養因子タンパクそのものを投与する場合は有効濃度の維持が必要で,局所注射や全身持続投与では応用が困難であり,遺伝子導入の手法(遺伝子治療)が有用となる。この方法では,1回の導入で数週間から1カ月にわたり,局所的持続的タンパク発現が実現できる。ラットを用いて反回神経切断直後に甲状披裂筋に筋細胞,神経細胞の両者に対して強力な栄養作用を持つIGF-I遺伝子をformulated plasmidを用いて導入したところ,遺伝子導入後4週の時点で,有意な筋萎縮改善,末梢神経再生,運動終板保護効果を認めた。迷走神経を頸静脈孔レベルで抜去し,疑核運動神経細胞死誘発モデルを作製し,頸静脈孔からアデノウイルスを用いて運動神経細胞に対して強力な栄養作用を持つ,GDNF遺伝子導入を行ったところ,遺伝子導入後2週,4週の時点で,疑核運動神経細胞死が有意に抑制された。これらの結果から反回神経麻痺の遺伝子治療は,既存の手術の代用か増強手段として用い得ると考えられる。
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© 2002 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
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