日本気管食道科学会会報
Online ISSN : 1880-6848
Print ISSN : 0029-0645
ISSN-L : 0029-0645
原著
喉頭肉芽腫の臨床的検討
井口 芳明廣瀬 肇西山 耕一郎永井 浩巳
著者情報
ジャーナル 認証あり

2002 年 53 巻 4 号 p. 319-327

詳細
抄録
喉頭肉芽腫は声帯後部,声帯突起部に好発する非特異的肉芽腫である。原因として気管内挿管後,声の酷使,そして原因の特定ができないものがあるといわれている。今回当院で治療した喉頭肉芽腫について検討したので報告する。対象は1975年4月から2001年6月までに当科を受診し,喉頭肉芽腫と診断した87例である。臨床的項目について挿管の既往のある例とない例に分けて検討した。結果として,肉芽腫の原因は,気管内挿管が契機(挿管性)となったのは28例,挿管のない症例は59例であった。年齢性別では挿管性は女性に多く,挿管のない症例は男性に多かった。発生部位は声帯突起が多く,挿管性は両側が12例,右は11例であった。主訴は嗄声が最も多かった。初回治療は以前は外来で局所麻酔下内視鏡下での鉗除や生検が多かったが,近年は薬物治療が主流となった。初回治療後の再発,増大は,挿管性では28例中3例,挿管のない例では59例中24例で特に初回手術例に目立ち,追加治療は薬物治療が中心であった。挿管性肉芽腫は1回の治療で治りやすいが挿管のない肉芽腫は難治性で,初回治療は鉗除や喉頭微細手術では再発することが多いので薬物治療を選択すべきである。
著者関連情報
© 2002 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top