抄録
下咽頭ファイバースコピーの致命的な問題点は,赤玉現象(スコープの最短観察深度よりも手前に粘膜が近接することが原因)と白玉現象(唾液などの分泌液の近接が原因)である。われわれは前報で,既存の処置用ビデオ鼻咽喉スコープの先端に透明フードを装着し,視野角を120°に広げて有効長を500 mmに延長したビデオ下咽頭スコープを試作し,鉗子チャンネルに装着した着脱式の逆流防止弁付き回転T字管から持続送気をおこなう方法について検討した結果,赤玉現象を生じることなくきわめて精細な画像をえることができるが,食道内腔における吸引機能に問題があることを報告した。そこでこの度,スコープの外径を変えずに持続送気用のチャンネルを増設する改良をおこなったところ,吸引機能の問題を完全に解決することができた。また,坐位で検査すると,仰臥位でみられた食道内腔における分泌液の停留と白玉現象が発生せず,持続送気流量も200∼300 ml/分で十分であることが確認された。下咽頭ファイバースコピーにおいては,左右交互に両側の梨状陥凹から挿入して,合計2回観察しないと反対側の病変を見逃す危険性がある。