抄録
われわれはバセドウ病と気管切開術後瘢痕が原因と思われる高度の気管狭窄例を報告した。症例は19歳の男性。多発性交通外傷で受傷,気管切開術を施行された。精査にてバセドウ病と診断された。全身状態軽快後,呼吸困難を訴えたため,当科を受診した。精査にて甲状腺両葉の腫大と頸部気管の狭窄を認めた。バセドウ病の甲状腺両葉の腫大による頸部気管の狭窄と診断し,甲状腺亜全摘出術を施行した。狭窄部位で気管は瘢痕狭窄像となっていたため,狭窄部位の気管前面に開窓術を施行した。術後にTチューブを挿入し,Tチューブを挿入したまま術後2カ月目に退院した。術後約4カ月目に気管切開孔閉鎖術を施行した。現在術後約37カ月を経ているが再狭窄は認めていない。