抄録
長期気管カニューレ留置により気管腕頭動脈瘻を生じた1症例を報告した。
症例は神経セロイドリポフスチノーシスを基礎疾患に持つ19歳女性で,呼吸不全に対し気管切開が施行されている。気管切開後3カ月目に,気管切開孔より大量に出血し,当科を受診した。造影CT,血管造影から気管腕頭動脈瘻と診断し,瘻孔閉鎖術,腕頭動脈切除術,自家静脈による血管再建術を施行したが,心不全で死亡した。
気管腕頭動脈瘻は気管切開後の致命的な合併症の一つである。本症は救命率が極めて低いことから気管切開患者の術後管理はより注意深く慎重に行い,その発症予防につとめることが必要である。