2018 年 13 巻 4 号 p. 329-334
【目的】終末期がん患者の血液データとPalliative Performance Scale(PPS)の推移を探索した.【方法】2016年1月〜12月に小牧市民病院緩和ケア科が介入後に死亡したすべての成人固形がん患者の,死亡前12週間以内で抗がん治療から2週間以上経過した血液データと,採血日のPPSを,後ろ向きに抽出し,各週の平均値の推移を探索した.【結果】204人,1157回の血液データを得た(平均年齢70.9歳,女性44.1%).アルブミンは死亡12週前,C反応蛋白は5週前より減少・増加し,白血球数とリンパ球数は5週前より増加・減少し,ビリルビンとクレアチニンは3週前より急増し,カリウムは1週間前より増加した.PPSは死亡4週前から減少した.【考察】栄養や炎症の指標,白血球数の悪化はPPSの悪化に先行し,臓器障害やPPSの低下をきたすと予後週単位と予想された.