抄録
当科で頸部リンパ節生検を施行した症例につき臨床的検討を行った。症例は92例(男性46例,女性46例)であった。病理診断では良性が31例,悪性が51例で,悪性腫瘍の既往があった18例中17例がリンパ節転移であった。CTで造影効果を認めた15例中11例が悪性であった。ガリウムシンチの悪性に対する敏感度,特異度はおのおの91.4%と37.5%で,悪性を疑う上で有効と考えた。穿刺吸引細胞診ではmalignant lymphomaとlymphoepithelial carcinoma 8例中5例がclass I, IIであったが,ガリウムシンチの併用で診断率の向上が期待できた。
以上より頸部リンパ節生検の適応として,(1)高齢者で長期間リンパ節腫脹が認められる場合,(2)悪性疾患の既往がある場合,(3)CTで造影効果を認めガリウムシンチで集積がある場合,(4)FNAでclass I, IIでもガリウムシンチ上集積を認め,悪性リンパ腫等を否定できない場合があげられた。臨床経過で亜急性壊死性リンパ節炎が疑われる場合は経過観察が可能だが,悪性リンパ腫との鑑別が難しい場合やステロイドホルモン剤の投与が必要な時には投与前に生検すべきと考えた。