1994年4月から2003年10月までに東京医科大学病院耳鼻咽喉科にてTHP動注化学療法併用放射線療法にて一次治療を行った中咽頭側壁型扁平上皮癌のうち腫瘍体積の大きいT2,T3およびT4症例の25例を対象とし,局所制御率について検討した。舌扁桃溝または臼後三角への進展がない症例ではTHP動注化学療法併用放射線療法60-70 Gyでの根治を目指し,放射線終了後必要と判断した場合サルベージ手術を行った。舌扁桃溝または臼後三角へと深く進展している場合は,THP動注化学療法併用放射線療法40 Gy後に計画手術を行った。25例中22例(88%)で局所制御が可能で,副咽頭リンパ節を含め再発は見られなかった。THP動注化学療法併用放射線療法は中咽頭癌局所制御に寄与できると思われる。