日本気管食道科学会会報
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原著
最長発声持続時間および平均呼気流率による声帯内アテロコラーゲン注入術の有効性の検討
大橋 正嗣太田 史一落合 文小森 敦史高柳 博久部坂 弘彦森山 寛
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2007 年 58 巻 4 号 p. 365-370

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抄録

片側性声帯麻痺に対する外科的治療法に関して,声帯内アテロコラーゲン注入術は他の術式と比較し外来手術として簡便に行えるという利点がある。一方,効果の限界や異種タンパクとしての問題も指摘されている。今回われわれは術前後における最長発声持続時間および平均呼気流率の変化から,注入術の有効性についての検討と術前の各値から術後効果予測の可否についての検討を行った。術後に最長発声持続時間が1秒以上改善し,なおかつ平均呼気流率が術前より減少している症例を有効と評価した。注入術を施行した16症例中10例で治療は有効であり,症例群としての各値はともに有意に改善したが,術前値と手術効果の有無について統計学的な関連性は認められなかった。

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