日本気管食道科学会会報
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症例
総頸動脈再建を行った骨髄異形成症候群合併甲状腺乳頭癌症例
近藤 敦小柴 茂関 伸彦高野 賢一黒瀬 誠氷見 徹夫
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2015 年 66 巻 4 号 p. 284-290

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抄録

今回われわれは骨髄異形成症候群 (MDS) を合併する甲状腺乳頭癌症例に対して,総頸動脈の切除,再建を含めた根治手術を行った。症例は45歳の男性。前医にて高度貧血と甲状腺腫瘍が見つかり精査加療目的で当科転院となった。貧血は骨髄生検の結果MDSの診断となった。甲状腺腫瘍は穿刺吸引細胞診にて甲状腺乳頭癌の診断となり,CTおよび超音波画像で右総頸動脈浸潤が疑われた。甲状腺乳頭癌cT4bN0M0 stage IVbの術前診断にて甲状腺全摘術,右頸部郭清術,気管切開術,右総頸動脈切除および再建を行った。頸動脈切除再建を伴う手術は脳梗塞発症のリスクもあり,疾患の予後も鑑みて手術適応を検討する必要がある。またMDS合併症例の手術においては,血球減少にともなう合併症を念頭においた周術期の管理が重要と考えられた。

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