日本気管食道科学会会報
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原著
在宅・地域医療のニーズに沿った出張・出前技術指導の試み
〜気管切開患者のカニューレ管理〜
森 照茂岸野 毅日人福村 崇寒川 泰大内 陽平星川 広史
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2020 年 71 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

在宅医療は第3の医療と呼ばれる。寝たきりの患者からがん終末期患者など,第3の医療を必要とする患者は増加傾向にある。第3の医療に対する社会の要望に応えるために複数の病院・医院・訪問看護ステーションなどが緊密に連携・協力し,各々が相互補完を図り,管理を行う時代になった。しかしながら,「特定行為に係る看護師の研修制度」施行以降,看護師による診療の補助が制限され,気管カニューレの事故抜去など患者が生命の危機に瀕する事態に発展する事例が散見される。このような事態に陥る背景には,特定行為に係る看護師の研修制度に対する解釈の誤認があるように思われる。第3の医療の要望は医師のみで対応することには限界があり,看護師による診療補助は重要なマンパワーである。同時に第3の医療を担う医師の技術の維持,向上の機会も求められてきた。われわれは専門技術の指導・教育を行い,その技術を獲得,維持して頂くことを目的として出張・出前技術指導を行っている。第3の医療の要望に応えるわれわれの取り組みを紹介させて頂く。

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