2020 年 71 巻 3 号 p. 276-282
重症筋無力症 (myasthenia gravis;MG) は,高齢発症の頻度が近年増加している。高齢発症のMGは,構音障害や嚥下障害の症状からの脳血管障害と診断されたり,易疲労性の症状が加齢による変化と認識されることが多く,鑑別が難しい疾患である。今回,眼筋症状を示さず,嚥下障害と構音障害を主訴としたMGの1例を経験したので報告する。症例は77歳男性で,経過観察中に亜急性に進行する嚥下障害を認め咽頭収縮の不良などから神経筋疾患を疑い,血液検査で抗アセチルコリン受容体抗体陽性,エドロフォニウム負荷試験前後で球麻痺の改善を認めたことからMGと診断された。