2021 年 72 巻 2 号 p. 80-83
喉頭枠組み手術は声帯そのものには操作を加えずに,病態に合わせて喉頭枠組み軟骨に手術操作を加えることで,内部に存在する声帯の位置や緊張度を変化させ症状を改善させる手術である。その中で声帯麻痺に対しては,披裂軟骨内転術と甲状軟骨形成術I型が行われている。披裂軟骨内転術において従来処理されることが多かった外喉頭筋群と咽頭収縮筋は内喉頭筋群と協調して呼吸・嚥下・発声時の声帯や喉頭の動きに関与している。特に咽頭収縮筋と筋に沿って走行している上喉頭神経外枝は,声帯麻痺を生じた喉頭の発声に補助的そして代償的な働きをしているため可能な限り温存が望ましい。甲状軟骨形成術I型を行うにあたり軟骨開窓の位置が一番重要なポイントであり,内方移動の調節はGRBAS尺度のS1程度が好ましい。