2021 年 72 巻 2 号 p. 93-96
食道癌の治療では,外科手術,放射線療法,そして化学療法を組み合わせた集学的治療がこれまで行われ,治療成績は近年益々向上しつつある。本稿では,化学療法について,現在の標準療法に関して概説する。術前あるいは術後補助化学療法として,術前シスプラチン+5-FU療法が現在の標準療法である。切除不能・再発食道癌での化学療法として,1次治療ではシスプラチン+5-FU療法が標準療法である。2次療法ではこれまでタキサンが用いられてきたが,2020年にニボルマブ,ペムブロリズマブなどの抗PD-1抗体が食道癌に適応追加となり標準療法の1つとなった。切除可能食道癌における集学的治療,切除不能・再発食道癌における化学療法について,近年種々の臨床試験が実施されており,従来標準療法として用いられてきた殺細胞性抗癌薬に加えて,免疫チェックポイント阻害薬,さらにその他の分子標的薬との併用,あるいは新薬の導入が今後益々期待される。