2021 年 72 巻 3 号 p. 166-169
症例は81歳女性。発熱と咽頭痛を主訴に当院を受診した。胸部X線検査で傍気管支にniveau像を伴う腫瘤影を認めた。CT検査で頸部にring enhancementを伴う多房性の膿瘍形成を認め,降下性壊死性縦隔炎と診断した。緊急で頸部アプローチでの膿瘍ドレナージ術を施行した。治療は奏効し,術後2週間で退院となった。降下性壊死性縦隔炎は頸部から胸部にかけての重篤かつ進行性の感染症であり,早期診断が難しいとされる。今回われわれは降下性壊死性縦隔炎に対して早期診断し,頸部アプローチによるドレナージ術で救命しえた症例を経験したので報告する。