抄録
シミュレーションデータ(FBM:非整数ブラウン運動)と臨床データ(Tl強調MR画像, 糖代謝および脳血流PET画像)を用いて, フラクタル次元とノイズと分解能の関係を評価した.フラクタル次元はボックスカウント法で算出した.フラクタル次元が低い画像ほどノイズの影響を大きく受けるが, 適当なスムージングをかけてノイズを除去することにより, 画像のテクスチャを評価できることが示唆された.フラクタル次元は, 絶対値を基に評価する事は困難であるが, 今回対象とした, ヒトのPETやMRIでは, 対象(正常者)と比較した相対的フラクタル次元値を用いることにより, 正常例と疾患例でフラクタル次元の差異を検出できた.