抄録
本論文は,アフィンカメラモデルに基づく逆投影法を利用した3次元モデル化手法を提案する.提案法は,カメラキャリブレーションに因子分解法を用いることによって,実空間座標を取得するための専用器具を必要としない.また,逆投影法を用いて形状の復元を行うため,マーカによる対応付けの必要がなく,シルエット画像のみから復元対象の形状を復元することができる.提案法は,因子分解により得られるカメラ姿勢行列からアフィンカメラ行列を導出する.逆投影には,従来の射影カメラモデルではなくアフィンカメラモデルを用い,因子分解法から得られるアフィンカメラ行列を用いて,逆投影法による復元対象の立体モデル化を行う.実験結果により,提案手法の有効性を示す.