バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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臨地実習前後における看護観の変化 : 看護学生の患者の捉え方に対する考え方の比較
安藤 詩乃加世田 有季中越 登子中野 正博
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2008 年 10 巻 2 号 p. 1-7

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抄録

看護基礎実習において,看護学生が「看護」に対する自らの認識をもち,それを自らの言葉で表現し,発展させていく能力をもつことは非常に重要である.実際に看護学実習を経験することによって意識の変化があったのではないかと考える.技術的な向上は視覚的認識が可能であるが,心理的な変化は客観的に読み取ることはむずかしい.よって,実習前の3年次生と,実習終了後の4年次生を対象とし,質問紙による留め置き法で,看護学生の患者の捉え方に対する考え方を統計学的に比較・検討した.その結果,信頼関係の構築は看護にとどまらず,社会生活を営む全ての人間関係において基本となっているため,実習前後による変化はみられなかった.また,結婚・出産後の将来展望にはばらつきがあり,臨地実習による関係性はみられなかった.4年次生は臨地実習を行うことで,実際に対象に接し,看護の具体的なイメージができるようになった結果,全体的に高い評価点であった.実習前の3年次生と比較して,実習後の4年次生では明らかな看護観の違いがみられた.実習前の講義によって得た看護観や知識を,臨地実習という経験を通してより深めることができたと考える.

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© 2008 Biomedical Fuzzy Systems Association
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