2010 年 12 巻 2 号 p. 47-55
近年大規模最適化問題の有効な解法の一つとして遺伝的アルゴリズムが研究されている.しかし,遺伝的アルゴリズムを用いたアプローチでは,実際の問題に適用する際に,局所解への早期収束や多くのパラメータを適切に設定しなければならないという問題がある.このような問題を解決するためにパラメータフリーGAや分散GAが提案されている.本論文ではパラメータ設定が不要で最適化の効率を改善するための分散型パラメータフリー遺伝的アルゴリズムを提案した.GAの構造を分散化することに加えて,最適化の現在の性能に合わせて子個体生成数を適応的に変化させる方法を提案した.本方法を巡回セールスマン問題に適用し,最適化性能の改善に有効であることを示した.