転倒・転落事故による頭部損傷は致命症に繋がり易い.これらの事故は,将来,日常生活の場に進出してくるロボットによる人体損傷の程度を評価するモデルを提供する.我々は,JARIと共同でロボットと人の衝突・接触時を模擬したダミー人形実験映像から転倒・転落の衝撃を記述する数理モデルを構築した.転倒・転落の日常の場面での最悪のケースとして,高所(自転車,踏み台など)からの転倒・転落事故を想定して実験とモデルを分析した.その結果,人体の転倒・転落事故による頭部打撃は,剛体の回転運動(頭部の自由落下運動+回転運動)で近似的に表現できる事が判明した(回転落下運動の仮説).