バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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力学的人体損傷に関する基礎研究-6 : 包括的な損傷予測法と安全クライテリア
松浦 弘幸玉川 雅章中野 正博山中 真行正 徹根本 哲也久保田 怜松崎 照美近藤 理恵神谷 直樹石川 耕介久保田 正美
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2013 年 15 巻 1 号 p. 89-96

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抄録
我々は,JARIと協同でHyb-IIIダミーを用いて,人の転倒・転落,そして,知的機械の誤動作等に伴う人体の力学的損傷の評価研究を行ってきた.外力の物理的要因(撃力,圧力,応力等)のデータが取得された後に,この物理的要因を臨床的な外傷や重症度に変換することは,困難な作業である.結局,我々は,解剖学的重症度,生理学的重症度,そして,加齢・既往症等の3個の要素を考慮した総合的・包括的な評価指標としてのTRISSを採用した.現在,TRISSは,受傷後の機転の予測に臨床の場で利用されている.重症度スコアが,NISS<4かつRTS<7.8404であれば,TRISSスコアは,0.980以上となり統計的リスク受容水準に達する.このTRISSスコアは,3個の最大AIS(maxAIS)の際に取り得る「最大TRISSスコア値の0.9843」とほぼ同程度である.我々の研究の焦点は,全てのmaxAISが"1"以下の数値となる(maxAIS-1又は0)数値的な受容レベルを決定することである.
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© 2013 Biomedical Fuzzy Systems Association
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