抄録
全ての人が安心してインターネットを使用するためにはアクセシビリティの検討が必要である.インターネットにおいて視覚要素は非常に重要な要因であることから,我々は健常若年者およびシミュレーションフィルタを用いて模擬高齢者および模擬色覚障碍者について白色背景における視認性評価を行い,RGB値を用いた明度差および色差を用いて重回帰分析による視認性予測を行ってきた.そこで本論文では,背景色を黒色として白色背景と同様の検討を行った.その結果,白色背景と同様に色差が大きくなると視認性が高くなる傾向が確認された.さらに,明度差の範囲が120.3以上となる場合においては,健常若年者,模擬高齢者および模擬色覚障碍者の全ての群において視認性が高いと判定されることが示された.