2016 年 18 巻 2 号 p. 49-54
レーダーチャートとコスモスダイアグラムの理論に基づいて,道徳科学実践教育の過程を数値化し変換することで,その実践教育の指導方向が明確になると考えた.本稿では,助産師の倫理教育への方向性について示唆を得ることを目的にその可能性を追究した.現在,助産師の倫理教育においてコアコンピテンシーモデルが目標として掲げられているが,コスモスダイアグラムを用いることで成長過程の可視化が可能となる.コスモスダイアグラムとは多次元ユークリッド空間上の複数ベクトルの2 次元空間へのアフィン写像であるとして,レーダーチャートの作図方法について示した.また,多角的な視点が必要とされる場合において,1つのコスモスダイアグラムを複数重ねることで関係性を捉えることが可能になるという多重コスモスダイアグラムの構想についても述べる.今後,検証を重ね,精度を上げることで助産師の倫理教育はもちろんのこと,あらゆる教育の場で活用できることを示す.